奇跡的、運命的な出会い!
本当にたまたま繋がった縁なんです。
謹吾が刈和野の戦いで、銃弾を受けて倒れたとき、その謹吾を背負って救護所まで運んだ『浦田右治衛門』(うらた・じえもん)さん。
【☆その6代目に当たる方との出会いの話】
☀︎大村公演3日目の朝、謹吾とその一族が眠るお墓を目指し歩いていました。
場所はネットで調べたのですが、あまり詳しく書いておらず、見当をつけて「まぁ行ってみよう」と。…
細い道…坂を登り…下り…右往左往
歩けど歩けど見当たらぬっ!!!
もうホールに入れる時間が迫り、
「くっそーしょうがない帰ろう!!」
せっかくなので、昔は馬が通っていたという細い山道を抜けて帰ることに。
その頂上に差し掛かったとき、一人のおじいさんがいたので、
「この辺りに濱田謹吾のお墓があると聞いてきたのですが…」
「あぁ、聞いたことあるけどわからないなぁ…下に住んでる人は昔からの人だから知ってるかも」
と、そのお宅まで連れてって頂きました。そこでまた、優しげなお母さんが出てきました。
「この辺りに濱田謹吾のお墓があると聞いてきたのですが…秋田の角館から来たんです」
「知ってますよ。まぁ角館から…うちに戊辰戦争の時に秋田に行った人のあれいますよぉ!古文書もあるとか。今電話してあげるね。」
衝撃でした、、、口を両手で押さえるという女の子のような行動をしてしまったのにも衝撃でした。
その日は公演があったので、終演後にまた来ると約束をして、夕方会いに行くことに。
「濱田謹吾役をやっている小山と言います」
そこには優しげで凛々しい顔立ちのおじさまが。
「あぁそうですか、私の祖先が秋田に行って戦っています。」
額に入った、その当時の写真と古文書を見せてもらいました。
「『浦田治右衛門』というのですが、謹吾少年が撃たれた時、運んでいったそうです」
…えっ、、ええっ。…ええぇぇぇえ!?
パニックでした。全身鳥肌でした。
何が縁でこんな引き合わせがあるのでしょうか。奇跡、運命などを信じたくなるような現実に興奮が収まりませんでした。
その方にお話を聞いて、次の日は一般公演だったので、お誘いをしました。
観に来てくださり、終演後は楽屋まで挨拶をしに来てくださいました。
目が潤んでいました…
「感動したよ、ありがとうね」
握手をして、謹吾の僕に頬を寄せて抱きしめてくださいました。
…どんな思いだったんだろう…。
150年の時を越えて、謹吾と治右衛門さんが繋ぎ会わせてくれたのかなぁ。
そんな忘れられない出会いでした。
投稿者:高田 綾